「正義の教室 善く生きるための哲学入門」 読了
「正義の教室 善く生きるための哲学入門」を読んだ。
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以下は個人的なまとめである。
覚えていないこともあるので、本の内容と違うところもあるかもしれない。
冒頭で「30人の幼児と自分の娘、どちらを助けるか」を問う
その上で正義には平等、自由、宗教の三つがあると説く
- 平等は功利主義(幸福を重視)
- 自由は自由主義(自由を重視)
- 宗教は直感主義(道徳を重視)
3つの概要を以下に書く
功利主義
概要
個人の幸福を総て足し合わせたものを最大化することを重視するものである。
問題
功利主義については、幸せを計れるのかという問題と
功利主義を名乗るのであれば、全体の幸福量を考えると、あなたが死んで臓器移植を複数人に行うと全体の幸福量が上がるので行うべきであるという問題が提示される。
自由主義
概要
人が実施することは自由であり、自己決定権を持つ
問題
人がそのまま行くと死んでしまう状態に向かっているときに止めるのか?
自由を尊重するのであれば、止めないべきでは?
直感主義
概要
直感的に正しいと思うことをする。正しさが外部にある
問題
直感的であるゆえに説明できない
正しさが外部にあるというが、その考えは、構造主義(ポスト構造主義含む)で否定され、それを否定する考えが出されていない
結論
舞台が監視カメラが置かれた学校を舞台にしている。
現代のスマホの普及が、これと同じ状態を生み出している。(ベンサムが大昔に考察したパノプティコン(全展望監視システム)になっている)
しかし監視によって、行いが良くなるのであれば、この試みは進んでいく。
そのため上記の試みは止めない。
その上で「万人に見られていなかったとしても、もしくは見られていたとしても、それに関わりなく自分がやるべきだと思ったことが、自分にとっての善いことである」と説き
これが「僕たちが自由に幸福に生きて行ける唯一の方法」とする。